毒親という障害を乗り越えて結婚した草津さん(仮)
滋賀の悩み相談-人生相談室です。
今日は嬉しい報告がありました。
かれこれ2年半ほど前から通ってくれていた滋賀県草津市に住む草津さん(仮)27歳女性が結婚しました。
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2018年10月18日に初回の予約を受けていたんですが、ドタキャンされ&ややこしかったのでよく覚えています。
予約日時になっても来ない。
時間から15分過ぎた頃に(渋滞かな?事故かな?寝てるかな?忘れてるかな?)どういう理由かわかりませんが、個別に1件1件の完全予約制で受けているウチとしては心配しますし、連絡なしの遅刻も来ないのも困るし。
電話してみたら別人が出て怒鳴られました。女性でしたが何を言ってるかわからず、1分ほどよくわからないことを大声で聞かされ続け、一方的に電話を切られました。
心配ですが、どういう状況かわかりません。
うーん、どうしたものかと考えていたら、その20分後に電話がありました。
草津さんが泣いていました。
「ちゃんと行こうとしたんですけど、母親に邪魔されて、すみません」
あー、お母さんか。それにしては常軌を逸したようなテンションでしたね。
「あの通りヒステリックで。昔から。それで、私はもう家を出たくて相談に行きたかったんです」
ふむふむ、では今日は、通常なら連絡なしのドタキャンとして対応したらキャンセル料をいただいてそれっきりになってしまうんですが、どう考えても大きな問題があるし来れたら来てくれますか?
「行きたいです!今日は時間を守れへんかったですけど、キャンセル料もお支払いするから相談させてください!」
わかりました。じゃあ、今日は事情アリで仕方ないとしてキャンセル料はいただきません。予約日時の取り直しということにしましょう。
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印象的だったのでよく覚えています。
そこから数日後、今度はちゃんと草津さんは来てくれました。
お話としてはネグレクトでもありDVでもあり、悲惨な生活をしていることが伝わってきました。
草津さんが記憶にないような頃に両親は離婚。
お母さんに引き取られたが、男性依存、アルコール依存、ギャンブル依存、そして育児放棄で家事を一切しない母親というような家庭環境で育ってきたそうです。
だからか、草津さんと弟さんはすごくしっかりしている感じで子供ながらに食事や掃除、洗濯を小学校のうちからしてきたそうです。
お母さんは毎日なにをして生活してるん?聞くと
「母は、彼氏のところに行ってるのがほとんどです。たまに彼氏によっては彼氏の方が家に来て、ひたすらイチャついてます」
お母さんが実家でイチャついてるん?その、イチャついてるって言い方はどういう意味か聞いてもいい?
「家で彼氏とヤッてます」
お、おう。お母さんが?お母さんが子供らにわかるトコで?
「はい・・・(泣)」
それは・・そうか・・・・。ずっと前から?最近も?
「ずっと前からです。今の男は、たまに家に来るけどあんまりおらへんから外で付き合ってる感じです」
そっか・・・。聞き方が難しいな。お母さんは家のことはしない?家事というか、親としてというか。
「ないです。借金があるからってあんまり家におりたくない感じやし」
じゃあ家のことどうしてるん?今までお金は?
「高校を出るまでは、私も弟もおじいちゃんがお金は出してくれてました。でも、働ける年やからって高校を卒業してからはお金もらってないから、働いてます」
ふんふん。草津さんは今25歳か。家を出ようとは考えへんかったん?
「考えてました。弟が高校を出たら一緒にお母さんから離れようとか」
弟さんは今どうしてる?
「21歳で、家にいます」
仕事は頑張れてる?貯金できてきてるんなら、そろそろ出ようかなって時期?
「それが、私も弟も人間関係が苦手で仕事がちょっと続かないのと、鬱みたいな、二人ともあって(泣)」
まぁ、そうか。そうなってもおかしくないか。実家に対して適応障害やもんね。
「それに、お金があったらあるだけお母さんが取っていくから貯まらへんし・・・」
財布のお金?家にある現金?
「全部です。給料も、金額を言えとか、入ってきたらいったん渡せとかで取られるから・・・」
あー、そうか。断れへん関係性というか、それが当たり前になってるか・・・
「お母さんにも男にも、何されるかわからへんし」
実際に何かされたことあるん?
「お母さんは怒鳴ったり、暴力があるし、男にはヤられたこともあります・・・」
えっ、ヤられたって・・・。それって警察に行く話じゃない?
「何回も警察は家に来てます。児童相談所も。近所の人が通報したり、助けようとしてくれたり。でも、結局は話を聞かれても家には帰らなアカンから、私も弟もだんだん誰にも相談せんようになって」
そんな生活してきたんか・・・。警察も児童相談所も守ってくれようとはしたんやろけど。
「なんか、大げさになるばっかりで、疲れるばっかりで、後から母親と男にまたやられるからもう嫌です・・・」
で、抜け出したい、お母さんと離れたいって今は思うようになってるんやね?
「・・・もう、限界で・・・死ぬしかないです・・・けど、弟おるし(泣)」
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初回ドタキャンでお母さんに意味不明に怒鳴られたのも印象的でしたが、2回目の草津さんの話も衝撃的でした。
そこからは、出来る範囲でサポートして、おじいちゃんとも話をさせてもらって、弟さんと家を出られることになって・・・。
恋愛が怖い、結婚が怖いということで全く異性への興味や関心を持てなかった草津さんでしたが、お母さんから離れた頃から優しくしてくれる人と出会えて、
結婚に辿り着くことができました。
ちょっと変わった形ですが、妊娠はしておらず、弟さんとも一緒に3人で生活を始めたそうです。
もちろん彼氏が転がり込んできたとか姉弟が弱ってるところに付け込まれたとか、そういうことではなく、ちゃんとした愛情を持ってくれてるようです。
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姉弟とも愛着障害、PTSD、パニック症候群などまだまだ精神的に不安定を抱えているというか、寂しい怖い気持ちを持ちながら生きていくことは続きますが、ひとまずはお母さんから解放されて徐々に穏やかで安心しながら生活できるようになってきているようです。
旦那さんになった彼氏と、弟さんと草津さんの3人で結婚・3人で同居を始めた報告をしにわざわざ来てくれたことはすごく嬉しいことでした。
ウチにできることは小さいけど、それでも使命感を強く感じた実例です。
滋賀の悩み相談-人生相談室でした。